天使の誕生日に

公開日: 仕事 | 子供 | 家族 | 心温まる話

観覧車

秋の深まりを感じながら、私たちは数年ぶりにディズニーランドを訪れました。ディズニーランドのスタッフの皆様、いつも夢のような時間をありがとうございます。

この日は、特別な日でした。一年前に亡くなった私たちの天使、娘の誕生日であり命日でもありました。生まれつき体が弱く、この世に長く留まることができなかった娘。私たちは彼女に何もしてあげられなかったことを、今も深く悔やんでいます。

生まれてきたら、一緒にディズニーランドに行こうと夢見ていた私たち。その夢も叶わぬまま、今日、娘を偲びながらこの場所に来ました。

事前に調べたガイドブックで、子供向けの可愛いランチがあることを知り、娘のためにそれを食べさせてあげたいと思いました。イーストサイド・カフェでのことです。お店の方に事情を話すと、快く受け入れてくださいました。

さらに驚いたのは、隣のテーブルに子供用の椅子を用意し、まるで娘がそこにいるかのように接してくださったことです。娘と共に楽しむかのような心遣いに、主人と私は感激のあまり涙が溢れました。

こうして私たちは、まるで娘がそばにいるかのような幸せな時間を過ごせました。お店の方々の温かいもてなしのおかげで、大切な娘の供養ができたと感じています。

娘は天国へと旅立ちましたが、私たちにとってはかけがえのない宝物です。この愛を胸に、私たちはこれからも一緒に生きていこうと思います。

スタッフの皆様、寒い日が続きますが、どうかお体を大切にしてください。また、娘を連れてディズニーランドに遊びに行く日を心待ちにしています。

娘の誕生日に、夢のような一日を提供してくださり、心より感謝申し上げます。

関連記事

瓦礫

再建の約束

太陽の光がほんのりと残骸の上を照らしていた。災害により変わり果てた風景の中、一つの臨時の避難所が静かな緊張感を持っていた。 「若者の代表として、一つだけ言いたいことがあります……

病院(フリー素材)

大好きなおじいちゃん

私は昔、いらんことばっかりしてたね。 私は兵庫県で、おじいちゃんは鹿児島に住んどった。 盆休みやお正月の長い連休は、よく遊びに行ってたね。 毎回遊びに帰る度にいっつ…

キャンドル(フリー写真)

キャンドルに懸けた想い

僕は24歳の時、当時勤めていた会社を退職して独立しました。 会社の駐車場で寝泊まりし、お子さんの寝顔以外は殆ど見ることが無いと言う上司の姿に、未来の自分の姿を重ねて怖くなったこと…

ビル

予期せぬ守り神

内定式で初めて彼女と出会った。彼女は私たちの同期だった。 彼女は聡明の代名詞のような人だった。学生時代の論文で賞を受けるほどの才女で、周囲からは期待の新星と見なされていた。 …

猫

声を失った猫

昔話だけど。 実家の猫は赤ちゃんの時、空き地で目も潰れて放置され、泣き喚いていたところを保護したんだ。正直、化け猫のようで触るのも躊躇するほどの悲惨さだった。目は病院で治療して…

教室(フリー写真)

虐めから守ってくれた兄

中学生の頃、学校で虐めに遭っていた。 教室に入る勇気が無く、いつも保険室に通っていた。 虐めの事は家族にも言っていない。 ただ私の我儘で保険室に通っているだけ。そんな…

市民マラソン

父からのタスキ

小さい頃、よく父に連れられて街中を走ったものだった。 生まれ育った町は田舎で、交通量も少なく、自然が多く残る静かな場所だった。晴れた日には特に、空気が澄んでいて、とても気持ちが…

お手玉(フリー写真)

私のこと忘れないでね

遠い昔、私が小学4年生の頃の話です。 当時の僕は人見知りで臆病で、積極的に話しかけたりするのが出来ない性格でした。 休み時間、みんなは外に出て遊んでいても、僕は教室の椅子…

夫婦の手(フリー写真)

大事なメール

嫁が風呂に入っている時に携帯を見てしまった。 メールボックスには俺が送った『今から帰る』というような、くだらないメールばかり。 でもフォルダがあって、そこにメールが一杯貯ま…

ちまきと柏餅(フリー写真)

ロクな大人

この前の、子供の日。 夫の親、兄弟、親戚、一同が集まった席で、いつものように始まった大合唱。 「一人っ子は可哀想」 「ロクな大人にならん」 「今からでも第二子は…