灯り続ける希望の光

キャンドル

24歳の時、僕は会社を退職し、独立を決意しました。上司の姿から自分の未来を映し出し、恐れを感じたからです。しかし現実は甘くなく、厳しい毎日が始まりました。25歳で月収7万円、食事は白飯にふりかけのみ。そんな生活が始まりました。

当時、6歳年下の彼女がいましたが、彼女は東京で学生生活を送っていました。彼女はバイト代を使い沖縄まで会いに来てくれましたが、デートはいつもファミレス。僕は仕事に追われ、彼女に十分な時間を割くことができませんでした。

彼女の20歳の誕生日、僕には贈り物をする余裕はありませんでした。しかし、彼女への愛を形にするため、手作りの『キャンドル』をプレゼントしました。彼女はそれを嬉しそうに受け取り、今でも最高のプレゼントだと言ってくれます。

その後、7年が経ち、僕は香港で新しい人生を歩んでいます。仕事もうまくいき、日々充実した時間を過ごしています。しかし、今日は特別な日。彼女、いや、今は『奥さん』の27歳の誕生日です。苦しい時期を共に乗り越えた彼女に感謝の気持ちでいっぱいです。

彼女と過ごした辛い日々、涙と笑顔の日々。彼女がいたから、今の僕がある。彼女を信じ、彼女に信じられたからこそ、今の幸せがある。もう二度と彼女に寂しい思いをさせない。これからも二人で力を合わせて乗り切る。彼女がいてくれるだけで、僕にはそれが最高の『幸せ』なのです。


note 開設のお知らせ

いつも当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今後もこちらでの更新は続けてまいりますが、note では、より頻度高く記事を投稿しております。

同じテーマの別エピソードも掲載しておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

泣ける話・感動の実話まとめ - ラクリマ | note

最新情報は ラクリマ公式 X アカウント にて随時発信しております。ぜひフォローいただけますと幸いです。

関連記事

朝焼け(フリー写真)

天国の祖父へ

大正生まれの祖父は、妻である祖母が認知症になってもたった一人で介護をし、祖母が亡くなって暫くは一人で暮らしていた。 私が12歳の時に、祖父は我が家で同居することになった。 …

教室

弟の深い愛

ある家庭に、脳に障害を持つ男の子が生まれました。彼の名前は兄。何年か後、次男が生まれました。幼いころの弟は兄との喧嘩の度に「兄ちゃんなんて、バカじゃないか」と言ってしまい、母はその度…

カップル

変わらずそばに

事故に遭い、足が不自由になってしまいました。車椅子がなければ外に出ることも、トイレに行くこともままなりません。多くの友人が去っていきましたが、彼だけは事故前から変わらずにそばにいてく…

虹(フリー写真)

道路に架かった虹

昨日、犬の散歩をしていた時の事。 20代後半くらいの男性が二人、作業着でマンホールを調べていた。 少し立ち止まって見ていたら、前から女子中学生が泣きながら歩いて来た。 …

犬(フリー写真)

天国のアビーへ

米国の4歳の女の子が愛犬の死を受け、神様に手紙を送ったという話が、米ニュースサイトのニュースバインで紹介された。 このエピソードは、女の子の母親から送られて来たメールを見た記者…

雨の日の紫陽花(フリー写真)

いってらっしゃい

もう二十年ほど前の話です。 私が小さい頃に親が離婚しました。 どちらの親も私を引き取ろうとせず、施設に預けられ育ちました。 そして三歳くらいの時に、今の親にもらわれた…

水溜り

最後の仲直り

金持ちで、顔もそこそこ。 何より、明るくてツッコミが抜群に上手い男だった。ボケた方が「俺、笑いの才能あるんじゃね」と勘違いしてしまうくらい、絶妙なツッコミを入れてくる。 …

春の路地(フリー写真)

命よりも大切な友達

お前は俺にとって、命よりも大切な友達だ。 小学校2年の時、友達も居なかった俺の誕生日に、プレゼントとしてチョロQを持って来てくれた。 その時の600円というのは、俺達にとっ…

蒸気機関車(フリー写真)

まるで紙吹雪のように

戦後間もない頃、日本人の女子学生であるA子さんがアメリカのニューヨークに留学しました。 戦争直後、日本が負けたばかりの頃のことです。人種差別や虐めにも遭いました。 A子さ…

チューリップ(フリー写真)

立派なお義母さん

結婚当初は姑と上手く噛み合わず、会うと気疲れしていた。 意地悪されたりはしなかったけど、気さくでよく大声で笑う実母に比べ、足を悪くするまでずっと看護士として働いていた姑は喜怒哀楽…