これで仲直りしよう

お味噌汁(フリー写真)

昨日の朝、女房と喧嘩した。と言うか酷いことをした。

原因は、夜更かしして寝不足だった俺の寝起き悪さのせいだった。

「仕事行くの嫌だよな」

と呟く俺。

そこで女房が何を言っても俺は切れただろう。前例もあったし。

あいつもそれをよく知っているから、何も言わなかった。

それも解っていたけど、何だか馬鹿にされているような気もして、八つ当たりしてしまった。

凄く美味そうだったのに、折角あいつが作ってくれた味噌汁もおかずも、全部ぶちまけて暴言を吐いてしまった。

あいつは泣きながら、鍋に残った味噌汁を流しに捨てていた。

物凄く後悔したけど、用意してあった弁当も持たず、虚勢を張ったまま謝りもしないで、俺はそのまま会社に出掛けてしまった。

夜になって、気まずい思いを抱きながら帰宅した。

もしかしたら女房は実家に帰っているかもしれないと、内心不安だった。

しかし部屋の明かりは灯っている。しかも何やら良い匂いもする。

思い切ってドアを開けると、女房は俺の好物のビーフシチューの鍋を抱えて出迎えてくれた。

「これで仲直りしよう」

と笑顔で。

俺の方こそ、朝のお詫びに気の利いた土産の一つや二つ買って来るべきだったのに。

もう自分の勝手で女房に八つ当たりをしないと心に誓った。

本当はあの味噌汁食いたかったんだ。俺は。

花嫁(フリー写真)

血の繋がらない娘

土曜日、一人娘の結婚式だったんさ。 出会った当時の俺は25歳、嫁は33歳、娘は13歳。 まあ、要するに嫁の連れ子だったんだけど。 娘も大きかったから、多少ギクシャクし…

遠足用具(フリー素材)

遠足のおやつ

小学生の頃、母親が入院していた時期があった。 それが俺の遠足の時期と重なってしまい、俺は一人ではおやつも買いに行けず、戸棚に閉まってあった食べかけのお茶菓子などをリュックに詰め込…

教室(フリー写真)

先生の決心

俺のばあちゃんから聞いた、ばあちゃんの小学生時代の話をする。 ばあちゃんが小学5年生の時の担任の先生、島田先生はとても良い先生だったそうだ。 とても熱心で生徒思いの先生だ…

海の父娘(フリー写真)

例え火の中でも

私の両親は小さな喫茶店を営んでいます。 私はそこの一人娘で、父は中卒で学歴はありませんが、とても真面目な人でした。 バブルが弾けて景気が悪化して来た頃、父は仕事の暇な時間に…

結婚式(フリー写真)

二人目の子供

俺が結婚したのは20歳の頃だった。当時、妻は21歳。学生結婚だった。 二年ほど貧乏しながら幸せに暮らしていたのだが、ある時、妊娠が発覚。 俺は飛び上がるくらい嬉しく、一人で…

スマホを持つ男性(フリー写真)

父からの保護メール

俺は現在高校3年生なんだけど、10月26日に父親が死んだ。 凄く尊敬出来る、素晴らしい父親だった。 だから死んだ時は母親も妹も泣きじゃくっていた。 ※ それから二ヶ月ほ…

デジカメを持つ女性(フリー写真)

母がデジカメを買った

機械音痴の母がデジカメを買った。 とても嬉しいらしく、はしゃぎながら色々なものを撮っていた。 ※ 何日か経った頃、メモリが一杯で写せなくなったらしく 「どうすればいいの…

ハンバーグ(フリー写真)

お母さんの弁当

俺の母さんは、生まれつき両腕が不自由だった。 なので料理は基本的に父が作っていた。 でも遠足などで弁当が必要な時は、母さんが頑張って作ってくれていた。 ※ 小学六年生の…

終電の車内(フリー写真)

親切の輪

終電の発車間際に切符なしで飛び乗り、車掌さんが回って来た時に切符を買おうと財布を出そうとしたが、財布がなかった。小銭入れもない。 どこかで落としたのだろうか。 途方に暮れた…

野球ボール(フリー写真)

少年への優しい嘘

アメリカのとある地方に、野球観戦の大好きな、でも目の見えない少年が居ました。 少年は大リーグ屈指のスラッガーである選手に憧れています。 ※ 少年はその選手へファンレターを綴り…