カテゴリー: 恋愛

好きだった人のこと、一緒にいられた時間、終わってしまった恋のこと。恋愛の話は、泣ける話の中でも特別な痛みと温かさを持っています。実話風の短編から長編まで、恋する気持ちと別れの切なさを丁寧に描いた作品を集めました。

数奇な恋の話

俺が惚れた子の話をします。 俺はもう既に40歳前を迎えた独身男だ。 彼女も5年近く居ない。 そんな俺が去年の5月頃に友人に誘われ、ゴルフを始めた。 ゴルフなんて…

前彼の祝福

学生時代、彼氏を事故で亡くした。 引き摺りまくって、もう新しい彼氏も結婚も要らないと荒み、誘いも蹴り告白も断った。 お一人様の老後を設計していたのだけど、ある日…

プライド

私には自分で決めたルールがある。 自分が悪いと思ったらすぐに『ごめんなさい』と言うこと。 私は元々意地っ張りで、自分が悪いと思っても『ごめんなさい』の一言が出な…

秘密のお守り

初めて彼女に会ったのは、内定式の時。同期だった。 聡明を絵に書いたような人。学生時代に書いた論文か何かが賞を獲ったこともあるらしく、期待の新人ということだった。…

大好きだった彼

あれは今から1年半前。大学3年になりたての春。 大学の授業が終わり、帰り支度をしている時に携帯が鳴った。 着信画面を見ると、彼の親友でした。 珍しいなと思って電…

ずっと笑っていてね

去年の夏、彼女が逝きました。 ある日、体調が優れないので病院へ。 検査の結果、癌。 余命半年と診断されました。 最期まで「もっと生きたい」「死にたくない」とは言…

真っ直ぐな青年の姿

20年前、私は団地に住んでいました。 夜の20時くらいに会社から帰ると、団地前の公園で雨の中、一人の男の子が傘もささず向かいの団地を見ながら立っていました。 は…

渡せなかった婚約指輪と真鍮の輪

甲府で指輪の石留めをしています。三年前、婚約指輪を渡す前日に彼女を亡くしました。彼女が値打ちのない真鍮の輪を一年半はめ続けた理由と、工房の受付簿に毎月残されてい…

余命半年の彼女

今日、彼女と別れた。 原因は彼女の病気、癌だった。 最初に聞いた時、冗談だと思った。 つい昨日まで普通に遊んで、喋って、ご飯を食べて、笑っていたのに。 俺は、 …

最初で最後のキス

私が小学生の頃、初めて人を好きになりました。 上級生だったのですが、誰にでも分け隔てなく優しい人で、誰もが彼を好いていました。 そんな彼がどういう訳か、地味な私…

桜と最後の嘘

僕は良いところなど一つも無いと言って良い程、嫌な人間だった。 ルックスに自信は無く、頭も良くはない。そして、人に平気で嘘を吐く卑怯者。 僕に構う人など誰も居なか…

木のスロープを毎月削る人

事故で足が動かなくなった私が通れる店は、なぜか毎年少しずつ増えていきました。商店街の入口にはめられた木のスロープは、どれも手前の角の落とし方が同じです。乾物屋の…

キャンドルに懸けた想い

僕は24歳の時、当時勤めていた会社を退職して独立しました。 会社の駐車場で寝泊まりし、お子さんの寝顔以外は殆ど見ることが無いと言う上司の姿に、未来の自分の姿を重…

彼女が遺した手紙

私(晃彦)には幼稚園から連れ添ってきた恋人(美咲)がいる。 私が高校を卒業し、就職してからも同居し、貧乏ながらも支えてくれた掛け替えのない存在。 プロポーズの決…