電話を切った夜
十年前、彼女は突然電話を切って、そのまま姿を消した。理由も聞けないまま月日が過ぎ、タクシー運転手になった私は、ある夜、偶然すべてを知ることになった。…
十年前、彼女は突然電話を切って、そのまま姿を消した。理由も聞けないまま月日が過ぎ、タクシー運転手になった私は、ある夜、偶然すべてを知ることになった。…
写真家として旅を続ける俺のもとに、幼馴染・亜季の母から荷物が届いた。中には一冊の日記と、俺が湖畔に落としたあの眼鏡が——。涙が止まらない感動の短編。…
鴨川の飛び石で交わした、三十歳まで独身なら結婚しようという約束。一か月後に旅立った脳内フィアンセが残したのは、百八円の指輪と「三十歳まで預かり中」と書かれた付箋…
沼津の幼稚園のバスで隣に座っていた美咲と、私は二十歳から一緒に暮らした。プロポーズのために、眠る美咲の薬指に白い糸を回して指輪のサイズを測った九月の夜。前々日に…
レンタル屋の駐車場で、せーので同時に送信した二通のメール。俺のメールには、あと一年しか持たないという告白が、彼女のメールには、妊娠したという報告があった。同棲貯…
大阪の市バスで大声の告白をした千波は、左の耳にだけ白い貝のピアスを揺らし「右は落とした」と笑っていた。治ったと告げた翌日の別れ、東京から届いた二通の手紙。高校三…
祖父にもらった青い硝子のかけらを、幼なじみの千夏は「彼にあげてくる」と言って持っていきました。春の前に千夏を見送ったあと、私は菓子の缶の底で、あの雪の朝になくし…
泣ける話。瀬戸内の港町の古い文化住宅で出会った、隣の部屋の小さな女の子。お腹を空かせた私に握ってくれた、塩気のないおにぎりの本当の意味を、私はずっとあとになって…