虐めの現実
公開日: 悲しい話
俺は高校生の時、授業以外の時間はいつも小説を読んで過ごしていた。
まあ、それくらいしかやる事がなかっただけだけどね。
ある日、体育の授業が終わり教室に帰って来て、いつものように自分の机に座った。
みんなこっちを見ている。
女子達も戸惑った顔でこっちを見ている。
何故かと言うと、机の上に無惨に切り裂かれた小説が置いてあったから。
それを見た瞬間、気付くと切れ端を黙って涙流しながら掃除していた。
俺には友達がいない。
お母さんもそれに気付いているのか分からないけど、俺が小説好きだからと、月に一冊は買ってプレゼントしてくれるんだ。
いつも読み終わった後、感想とか聞いてくれるんだよね。
俺の好きそうな小説を探すためなのは言うまでもなく解る。
俺はお母さんが探して来てくれた小説が大好きだった。
切り裂かれた小説を掃除しながら、涙が止まらなかった。
ごめんね、お母さん。
俺が嫌われているから、折角買って来てくれた小説がだめになっちゃった。
お母さん、ごめん。