君たちがいた家

| 家族 | 悲しい話

嫁と娘が、ひと月前に亡くなった。 交通事故だった。車は大破。単独事故だったらしい。 その知らせを受けたのは、出張先の根室にいたときだった。 何とかして帰ろう…

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静かなテーブルの上で

ファミレスで仕事をしていたときのことです。 隣のテーブルに、三人連れの親子が座りました。 若作りした茶髪のお母さん、中学一年生くらいの男の子、そして小学校低…

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ナオと歩いた家族の時間

昔、我が家では一匹の犬を飼っていた。 名前はナオ。 ナオは、ご近所の家で生まれた子犬だった。 その子犬を、うちの妹が、誰にも相談せずに勝手に連れて帰ってきた…

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道に咲く愛

| 家族 | 心温まる話 |

ひとりの女性の人生が、いま世界中の人々の心を揺さぶっています。 その名は楼小英(ロウ・シャオイン)。現在88歳の彼女は、腎不全を患い病床にありますが、これま…

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届かなかったごめん

| 恋愛 | 悲しい話

あの日、俺は彼女と、ほんの些細なことでケンカをしていた。 原因は覚えていないほどの小さなことだったけれど、お互いに意地を張り、言葉が冷たくなっていった。 険…

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ミルと父

家には、十年ものあいだ一緒に暮らしていた猫がいた。 名前は「ミル」。白地に淡い灰色の柄が入った、シャム猫とどこかの雑種のような子だった。 その出会いは、広場…

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並んで歩く理由

交通事故に遭ってから、私の左半身には少し麻痺が残ってしまった。 日常生活には大きな支障はないけれど、歩いていると、少しだけその異変が目立ってしまう。 だから…

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最期に選んだ場所

物心ついた頃から、ずっと一緒にいた猫が病気になった。 毎日名前を呼ぶと、必ず腕の中に飛び込んできていたあの子が、もう元気に動くことすらできなくなっていた。 …

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約束の土曜日

3歳の頃から、毎日のように遊んでくれたお兄ちゃんがいた。一つ年上で、勉強もスポーツもできて、とにかく優しい。 一人っ子の僕にとって、彼はまるで本物の兄のよう…

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小さなおにぎり

| 友情 | 悲しい話

今から20年以上も前のこと。当時の私は、オンボロアパートで一人暮らしをしていました。 給料は安く、貯金もなくて、贅沢なんて夢のまた夢。それでも「無いなら無い…

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ふたりの幸せのかたち

もう五年も前のことになる。当時、俺は無職だった。 そんな自分に、ひとりの彼女ができた。きっかけは、彼女の悩みをたまたま聞いてあげたことだった。 正直なところ…

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ずっと一緒だから

もう、あれから二年が経った。 当時の俺は、医学生だった。そして、かけがえのない彼女がいた。 世の中に、これ以上の女性はいない。本気でそう思えるほど、大切な存…

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背中を押してくれた人

仕事でどうしようもないミスをしてしまい、次の日に出勤するのがどうしても嫌で、気持ちが塞ぎ込んでいた時のことだった。 家に帰る気にもなれず、仕事帰りに普段は使…

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届かぬ想い

関係を迫ると、「あなたは紳士じゃない」と言われた。 けれど、関係を迫らなければ、「あなたは男じゃない」と責められた。 何度も君の部屋を訪ねると、「もっと一人…

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