ドーナツと小さな願い
日曜日、私はミスタードーナツで心温まる一幕を目撃しました。
店内には、若いお父さんと彼の3歳くらいの目がくりくりした可愛らしい男の子が席につきました。彼らは私の背後に座り、肩越しに彼らの会話が聞こえてきました。
男の子は嬉しそうに「どーなつ、おいしいねぇ」と言いました。お父さんも「ん、美味しいね」と応じました。
すると、男の子が「おかーちゃんにも、あげたいねぇ」と言いました。お父さんはただ「そだね」と答えるだけでした。
次に、男の子が「おかーちゃん、いつおっき?」と尋ねました。お父さんは少し考えた後、「んー、お母ちゃんはとっても疲れてるから。いつ起きるか分からないな」と答えました。
子どもは夢中で「ゆーえんちいきたい!かんらんしゃ!おかーちゃんいっしょ!」と続けました。お父さんは「そだね。お母ちゃんと行きたいね、三人で。お母ちゃんが起きたら…」と言いました。
男の子が「おとーちゃん? だいじょうぶ? えーんえーん?」と心配そうに尋ねると、お父さんは声を詰まらせながら「大丈夫。えーんえーんしてないよ。お父ちゃんは大丈夫だから」と答えました。
このやり取りを聞きながら、私は涙を堪えるのがやっとでした。この親子が何を経験しているのかは私には分かりませんが、小さな男の子の無垢な愛と、彼を支える若いお父さんに幸せが訪れることを心から願いました。