奥さんの日記

公開日: 夫婦 | 心温まる話

夫婦(フリー写真)

嫁の日記を盗み読みしたら、いつも昼飯は納豆ご飯やお茶漬けしか食べていないことが判った。

友達とファミレスに行くのも月に一度と決めているらしい。

俺に美味しい料理を食べさせたいからと書いてあった。昼飯を削って夕飯に回すって…。

しかも、凄く明るく書いてある。

「今日は○ちゃん(俺)の好きな牡蠣を買うのだ~」

という感じで。

俺の文句なども書いてあるけど、文句を書いている癖に、最後は俺をフォローするようなことを書いているし。

マジで泣いた。もっと俺に甲斐性があれば、昼から寿司でも何でも食わせてやるんだけどな。

給料少ないのに専業で居てくれと言ったのは俺だし。

金のことで責められたことは一度も無いし(タバコ減らせとは言われるが)。

節約も楽しいよとか言ってたし。

盗み読みは良くないことだが、結婚して良かったとつくづく思った。

こんなに俺に尽くしてくれたのは、親以外で初めてだ。

何もしてやれないから、浮気だけはしないと誓うよ。

まあ、浮気しようにもモテないから出来ない俺だがな。


note 開設のお知らせ

いつも当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今後もこちらでの更新は続けてまいりますが、note では、より頻度高く記事を投稿しております。

同じテーマの別エピソードも掲載しておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

note版では広告が表示されず、長編や特選記事を快適にお読みいただけます。
さらに初月無料の定期購読マガジン(月額500円)もご用意しており、読み応えあるエピソードをまとめて楽しむことができます。

泣ける話・感動の実話まとめ - ラクリマ | note

最新情報は ラクリマ公式 X アカウント にて随時発信しております。ぜひフォローいただけますと幸いです。

関連記事

少年との出会い

少年がくれた希望の灯

1月の寒い朝になると、必ず思い出す少年がいます。 あれは、私が狭心症のため休職し、九州の実家で静養していたときのことでした。 毎朝、愛犬のテツと散歩に出かけていたのですが…

炊き込みご飯

愛のレシピ

私が子供の頃、母が作る炊き込みご飯は私の心を温める特別な料理でした。 明言することはなかったが、母は私の好みを熟知しており、誕生日や記念日には必ずその料理を作ってくれました。 …

リビング

弟の物語が変えた家族

私の家族は、父、母、私、そして弟の四人家族です。弟は私より十二歳も年下で、その当時はまだ六歳でした。とても可愛い弟です。しかし、私は遊び盛りで、家にいれば父と母が喧嘩をしていることが…

3台の携帯

優しさを遺してくれた人へ

先日、亡くなった妻のガラケーの情報を引き出してもらった。 きっかけは、何気なく立ち寄った携帯ショップで見かけた「古い携帯のデータ復旧」の広告だった。 ※ 思い返せば…

会津慈母大観音像

母が綴った愛のかたち

俺の母方のばあちゃんは、いつもニコニコしていて、とてもかわいらしい人だった。 生んだ子供は四姉妹。 娘たちがみんな嫁いでからは、じいちゃんと二人で穏やかな日々を過ごしてい…

花嫁(フリー写真)

血の繋がらない娘

土曜日、一人娘の結婚式だったんさ。 出会った当時の俺は25歳、嫁は33歳、娘は13歳。 まあ、要するに嫁の連れ子だったんだけど。 娘も大きかったから、多少ギクシャクし…

駅のホーム(フリー写真)

花束を持ったおじいちゃん

7時16分。 私は毎日、その電車に乗って通学する。 今から話すのは、私が高校生の時に出会った、あるおじいちゃんとのお話です。 ※ その日は7時16分の電車に乗るまでまだ…

教室

厳しさの中の優しさ

十五年以上前の話です。当時、小学6年生だった私のクラスに、A君という友達がいました。彼は父親がおらず、生活も苦しそうで、いつも古びた服を着て、新しい上履きも買えずにいました。給食費や…

結婚式(フリー写真)

前彼の祝福

学生時代、彼氏を事故で亡くした。 引き摺りまくって、もう新しい彼氏も結婚も要らないと荒み、誘いも蹴り告白も断った。 お一人様の老後を設計していたのだけど、ある日いきなりご縁…

駅

再生の贈り物

私には本当の親がいない。物心ついたときにはすでに施設で育てられていました。親が生きているのか、死んでいるのかもわからないまま、私はただ普通に生きてきました。 施設での唯一の家族…