カテゴリー: 仕事

また彫ってください

義肢装具士の俺が二十年前に作った義足を、あの日の女の子が工房に持ち帰ってきた。「また、ウサギを彫ってください」——見えない場所で誰かの人生を変えていた、静かな感…

先生はずっと通っていた

独立を反対されたと思い続けた十年。工房の棚の奥に見つけた箱には、師匠が独立の翌日に書いた一枚の手紙が入っていた。感動の泣ける話・短編。…

十五年越しの忘れ物

十五年前、大阪の雨の夜に私のタクシーに残された、ひかりと書かれた小さな貯金箱。ずっと返せずにいた忘れ物が、思いがけない再会で持ち主の娘のもとへ帰っていく。静かに…

宛先のない手紙

島の郵便局に赴任した私の元へ、毎週金曜日に届かない葉書を書き続ける老人が通っていた。七年前に亡くなった妻への百四十三枚の手紙。届かないと知りながら書き続けた、静…

切り抜いてくれた人

離島で消防士として働く私が救急出動で駆けつけた先は、二十年前に人生を変えてくれた恩師の家だった。再会が明かす、先生の二十年越しの想いとは。…

毎月来た乗客

月に一度、同じ漁港へ向かう老婦人をタクシーで乗せ続けた。彼女が何も語らないまま来なくなり、半年後に息子が訪ねてきた。胸ポケットにしまわれた一枚の写真が語る、不器…

父の万年筆

ピアノ調律師の俺が、養父の遺品の中に見つけた一本の万年筆。「いらん」と言って押し入れにしまったはずなのに、インクは空になっていた。…

俺が捨てた折り鶴

元教師のタクシー運転手が、怒鳴り続けた教え子の母親から聞かされた10年後の真実。折り紙に込められた言葉と、すれ違いを超えた祈りの感動短編。…

母の香りをまとった先生

このエピソードは、私が人生の中で特に大切にしている物語のひとつです。 人間とは何か。 その問いに対するひとつの答えが、この物語には、静かに、しかし圧倒的な説得力…

命を守ってくれた笑顔

一昨年の夏。私は5歳の息子を連れ、車で1時間ほどの自然博物館で開かれていた昆虫展へ向かっていました。 ムシキングの影響もあって、息子はこの日を心待ちにしていまし…