城下町の番傘
十年前に告白できなかった初恋の人と、出張先の城下町で再会した。祖父のリハビリに付き添う彼女が差していたのは、蔵から出してきた城下町の番傘だった。義肢装具士の俺と…
十年前に告白できなかった初恋の人と、出張先の城下町で再会した。祖父のリハビリに付き添う彼女が差していたのは、蔵から出してきた城下町の番傘だった。義肢装具士の俺と…
高校入学直後の事故で走れなくなった幼馴染。言葉をかけられないまま疎遠になった男が、二十年後に整備工場で再会する。トランクの中の二足のシューズが、長い沈黙をほどい…
十七年前、文化祭で落としたカーディガンのボタン。拾ってくれた隣の席の彼は、返さないまま卒業した。薬剤師になった私の前に、あの日のボタンが届くまでの物語。…
離島で消防士として働く私が救急出動で駆けつけた先は、二十年前に人生を変えてくれた恩師の家だった。再会が明かす、先生の二十年越しの想いとは。…
温泉街で偶然見つけた懐かしい楽器店。二十年の時を隔てて、あのジャズの音が再び鳴っていた。…
十七年間言えなかった「ありがとう」。不器用な写真家が港町で偶然見つけた恩師の個展。対になった青磁の湯呑みが二人の時間をつなぐ感動の物語。…
温泉街の駅員として働く俺のもとに届いた忘れ物。中には折り鶴と、十五年間音信不通だった幼馴染からのメモが入っていた。不器用な二人が最後に交わした言葉とは。…
九月の日曜日、建て替えを考える家族と住宅展示場を回った私は、三軒目の和室で癖のように檜の大黒柱を二回叩いた。背後で、二十年ぶりに旧い呼び名で呼ばれた。転校の日に…
会社の倒産と失恋が重なった春、田舎のばあちゃんに会いたい一心で故郷へ戻った私は、スーパーの果物売り場で幼なじみの山本ゆきと再会する。桜の根元に埋めた缶と、会えな…
十四年前の土砂災害の夜、暗い土の中で握られ続けた小さな手がありました。声を失っても口を動かし続けた元救助隊員と、その咳払いだけを頼りに朝を待った娘が再会する泣け…