
そんな日々の中、息子が一歳の誕生日を迎えた。
いつも通り保育園に迎えに行き、帰宅すると、ポストに二通の可愛らしい封筒が入っていた。
宛名は、息子と私。
差出人の名前を見て、息が詰まった。
夫だった。
震える手で封を開けると、息子への手紙にはこう書かれていた。
「誕生日おめでとう!毎日笑顔でね!!元気にね!」
そこには、夫が描いた下手くそなニコニコ顔のアンパンマンが添えられていた。
あまりの出来に、思わず笑ってしまった。
涙と一緒に。
私宛には、こうあった。
「○○もお母さん一歳だ!おめでとう!」
短い言葉だったけれど、胸の奥に温かい光が差し込んだ。
※
この手紙は、夫が入院中に、誕生日に届くよう日付を指定して投函してくれていたのだろう。
病室の白い天井の下、震える手で一枚一枚、私たちに宛てて書いた姿が目に浮かぶ。
来年も、手紙が届くのだろうか。
そう思うと、不思議とまた一年、頑張れる気がした。
ありがとう、あなた。
息子を、あなたに胸を張れる立派な男に育ててみせる。
時々でいいから、私たちを見守っていてね。