親と一緒に居られる時間
母が送ってくる青さのりの袋の口には、毎年ちがう本数の輪ゴムが巻いてありました。四万十の冬の川に一人で立ち続けた母と、大阪で働き続けてきた息子。あと何日会えるのか…
母が送ってくる青さのりの袋の口には、毎年ちがう本数の輪ゴムが巻いてありました。四万十の冬の川に一人で立ち続けた母と、大阪で働き続けてきた息子。あと何日会えるのか…
社会人になって初めての給料で母に何か贈りたかったのに、素直になれず「こんな安物かよ」と口走ってしまった三千円のエプロン。三年後に見つけた家計簿の余白が、その値札…
体の弱い母が、震える手で毎朝作ってくれた見映えの悪いお弁当。恥ずかしさからそれを捨て続けた娘が、母を亡くしたあとに見つけた一冊の日記。その最後の一行に綴られてい…
横浜へ単身赴任した私は、人混みが苦手だという母を、いつしかお義理でしか誘わなくなっていました。母の急逝後、遺品から出てきた横浜のガイドブック。赤鉛筆の線と、行き…
四十二歳で僕を産んだ母は、一年前に突然逝きました。捨て続けた弁当の付箋、縫い物かごの底の書き損じの束、「まごのため」と書かれた菓子缶――遺品が明かす母の愛を描く…
初めての給料で両親を食事に招いた、新米保育士の私。藍染職人の父は終始不機嫌で、二十年の苦労は晩飯一回で帳消しにはならないと言い放ちました。盃を支える青く染まった…