水曜の朝の青い弁当箱
転校してきた花ちゃんが「お家に弁当がなかった」と言った日から、私は毎朝もう一仕切り多く詰めるようになりました。十年使っている青い弁当箱と、盛岡の実家の米びつに入…
転校してきた花ちゃんが「お家に弁当がなかった」と言った日から、私は毎朝もう一仕切り多く詰めるようになりました。十年使っている青い弁当箱と、盛岡の実家の米びつに入…
毎朝四時に台所へ置かれる母の弁当箱。東京の外れの古い団地で母とふたり暮らしをする配達員が、風邪で弁当箱が消えた朝に二十四年分の重さへ気づき、焦げた玉子焼きと湯呑…
中学二年の春、私は父にもう弁当はいらないと言った。父はその朝から二度と私の弁当を作らなかった。二十年後、実家の押入れから出てきたアルミの弁当箱と料理雑誌の切り抜…
港町の小学校で受け持った九歳の柚は、遠足の弁当箱にりんどうを隙間なく並べて持ってきた。白いご飯と焦げた卵焼きを、あの子は仏壇の花で隠していたのだ。母を見送った、…
右手の指が利かない母が作った不格好な弁当を、僕は遠足の朝にいらないと言い放ちました。三ヶ月だけ味わえた母の肉じゃがと、倉敷の駅裏の喫茶店に残されていた紐の輪。母…