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父のカメラに残ったもの

父のカメラに残っていた未現像のフィルム。現像すると、私が仕事で通った五島列島の同じ場所ばかりが写っていました。「そうか」としか言えなかった無口な漁師の父と、後悔…

青磁の湯呑み

十七年間言えなかった「ありがとう」。不器用な写真家が港町で偶然見つけた恩師の個展。対になった青磁の湯呑みが二人の時間をつなぐ感動の物語。…

港町の雑貨屋に返った小さな鍵

写真家の俺は九年ぶりに港町へ戻り、雑貨屋の窓で別れた君と再会した。棚の奥から出てきた小さな鍵には、亡き父の字で「取りに来る」とだけ記した紙が結ばれていた。来たけ…

妻がずっと書いていた返事

大分・長湯温泉の朝、四十年前の琺瑯の弁当箱を開けると、底に色褪せた付箋が一枚だけ残っていました。包みの結び目がいつも左に寄っていた理由、妻が四十年切らさなかった…

雪の日に開いた兄の手帳

北海道の漁村で写真を撮り続けた兄が旅立った。荷物を引き取りに行った二月の部屋で、押し入れの奥から黒い表紙の兄の手帳が出てきた。毎年三月十四日にだけ、撮影記録のな…