愛する人への別れ

公開日: 恋愛 | 悲しい話 | 震災に関する話

ラムネ

彼女は完璧な存在だった。その可愛らしさ、スタイル、そして性格。俺は彼女に一目惚れした。

彼女も同じように感じてくれた。彼女からの告白で付き合うことになり、俺は幸せだった。

彼女との日々は楽しく、喧嘩もなく、ほぼ毎日を一緒に過ごした。彼女が初めて自分から好きだと言ってくれたことは、俺の心に深く刻まれている。

しかし、地震の前日に明日の約束をしてバイバイした。それが最後の別れになるとは、その時は誰も想像できなかった。

翌日、学校で地震が来た。俺は彼女に連絡しようとしたが、通じなかった。心配で彼女の家に向かったが、冠水していて近づけなかった。

一週間後、遺体安置所で彼女と再会した。彼女は他の遺体とは違い、きれいなままだった。彼女の家族も津波に飲まれてしまった。

震災から二年が経ち、今でも彼女の遺影を見に行く。彼女に会いたい気持ちで胸がいっぱいになる。

彼女との思い出は、今も心に生き続けている。彼女ともう一度会いたい。彼女に愛を告げ、抱きしめたい。

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