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麦茶の氷が鳴らなくなった夏

母は毎年、梅雨が明けると麦茶を製氷皿で凍らせていた。薄まらんように、と。脳の病で手が震えるようになっても、その習慣だけはやめなかった。私はある朝、その製氷皿を落…

開けなかった最後の手紙

三年間、海苔の缶の底に眠らせた最後の手紙を、私はようやく開けた。二十歳の雅人が鉛筆まじりの字で書いた便箋の裏には、読めるようになった頃の私への追伸があった。阪神…