義母が誰にも踏ませなかった畳
十九で畳屋に嫁いだ私は、十年ものあいだ仕事場に入れてもらえなかった。義母は褒めず、教えず、座敷の上座の一枚だけを誰にも踏ませなかった。二十六年ぶりに畳を上げ替え…
十九で畳屋に嫁いだ私は、十年ものあいだ仕事場に入れてもらえなかった。義母は褒めず、教えず、座敷の上座の一枚だけを誰にも踏ませなかった。二十六年ぶりに畳を上げ替え…
五歳の俺を迎えた義母は、血のつながりを一度も口にしないまま、毎月二十五日に郵便局へ通っていました。母が亡くなって見つかった一冊の通帳に、ほんとうの愛の形が記され…
六歳の春に来た義母の手帳には、毎年一月十四日に赤い丸がついていた。誕生日でも命日でもない。四十年知らずにいた手帳の赤い丸の意味を、私は通夜の席で妻から聞かされた…