十五年越しの忘れ物
十五年前、大阪の雨の夜に私のタクシーに残された、ひかりと書かれた小さな貯金箱。ずっと返せずにいた忘れ物が、思いがけない再会で持ち主の娘のもとへ帰っていく。静かに…
十五年前、大阪の雨の夜に私のタクシーに残された、ひかりと書かれた小さな貯金箱。ずっと返せずにいた忘れ物が、思いがけない再会で持ち主の娘のもとへ帰っていく。静かに…
スタメンに選ばれた夏、親友が三ヶ月分のバイト代で買った健一のバッシュを貸してくれた。二十数年後、深夜のタクシーで知った入院と、LINEの下書きに並ぶ未送信の二十…
夜勤タクシー運転手として三十年。退職の日、妻が描いた古い地図を見つけた。赤い丸は二人で行った場所、青い丸はいつか行きたい場所。青い丸は一つも叶っていなかった。…
タクシー運転手の息子が母の団地で見つけた千を超える折り鶴。翼の裏に書かれた一行の日記が、忙しさを言い訳に疎遠にしていた日々を静かに照らす。母の愛に涙する感動の物…
台風11号の余波が残る福岡の午後、整骨院の前で乗せたおばあちゃんは、小学三年の台風の日を語り出した。継母に使いへ出され、職員室で出会った女の先生。その正体を、私…