脳梗塞で亡くなったチワワ

公開日: ペット | 悲しい話 |

チワワ

今から3年程前の事です。

飼っていたチワワ(以下、まーちゃん)が脳梗塞で亡くなりました。

14歳でした。

まーちゃんは亡くなる前日まで元気で、死因が脳梗塞と聞いた時は、

『脳梗塞って本当に症状が出るまで判らないんだな』

と思いました。

亡くなる当日。

遅く起きて来た俺は、リビングに入った。

するとまーちゃんが苦しそうにもがいていて、両親が心配そうにさすっているのを見た。

その時、俺は何となく察した。

『このままだと、死んじゃう』

そう思った俺は、両親に早く「病院に連れて行け」と叫んだ。

まーちゃんを抱え、車で病院に向かった両親。

暫くして、電話でまーちゃんが亡くなったと知らされた。

めちゃくちゃ泣いた。

親が帰って来た後、こんな話を聞いた。

「まーちゃんはきっと、S君(俺の事)が起きて来るまで、苦しいのもずっと耐えていたんだね。

最期に顔を見たいと、死なないように耐えていたんだよ」

もう馬鹿みたいに泣いた。悲しい時に流す涙、人生分を全部使う程、泣いた。

3年が経った今、とある事に気が付いた。

まーちゃんが亡くなる前日、俺まーちゃんに蒸しパンあげたのよ。

まあ、もちろん糖分も化け物級。

そのせいで血糖値がめちゃくちゃ高くなって、それで亡くなったんかなって。

そう考えるようになってから毎日、悔し過ぎてベッドで泣いている。

関連記事

黒猫

小さな黒猫の命

小学校の帰り道、裏門の近くで小さな黒猫の赤ちゃんを見つけた。 目は膿でふさがれ、ほとんど開いていない。 痩せ細った体を震わせながら、かすれた声で鳴いていた。 見捨て…

河川敷

桂川にて — 最後の親孝行

2006年2月1日、京都市伏見区・桂川の河川敷で、一組の母子が静かに“終わり”を迎えようとしていました。 事件として報じられたのは、無職の片桐康晴被告が、認知症の母親を殺害し、…

北部ソロモン諸島(ブーゲンビル島)の戦い

貴様飲め!

俺のおじいちゃんは戦争末期、南方に居た。 国名は忘れたけど、とにかくジャングルのような所で衛生状態が最悪だったらしい。 当然、マラリアだのコレラだのが蔓延する。 おじ…

手を繋ぐカップル(フリー素材)

可愛い彼女がいた

俺には可愛い彼女がいた。 性格は素直でスタイルも良かったが、周囲からは 「え、あの女と付き合ってるの? お幸せに(笑)」 と、よく馬鹿にされた。 彼女は頭が非常…

住宅街

最後のアイスクリーム

中学3年生の頃、母が亡くなった。 今でも、あれは俺が殺したも同然だと思っている。 ※ あの日、俺は楽しみに取っておいたアイスクリームを探していた。 学校から帰…

瓦礫

わずか1.5メートルの後悔

私と倫子は、二十一歳の若さで愛の意地を張り合ってしまった。その日、些細なことから生まれた言い争いは、私のわがままから始まっていた。 普段は隣り合わせの安らぎで眠るはずが、その夜…

カップル

途切れた言葉

あの日、些細なことから彼女と言い争いをしていた。 心の中では、今にも許し合えるような感じがしていたが、彼女は険悪な雰囲気のまま、仕事へと向かってしまった。 その後、私は友…

手をつなぐカップル(フリー写真)

未来への遺言

私の初恋の人、かつての彼氏がこの世を去りました。 若さゆえに我儘を尽くし、悔いが残る行為ばかりでした。 ある日、突如として「別れて欲しい」と告げられ、私は意地を張って「い…

戦地で背負われた恩

戦地で背負われた恩と、最後の約束

俺の爺さんは、戦争中に戦地で足を撃たれた。 撤退命令が響き渡り、仲間たちは必死に撤退していったが、爺さんは立ち上がることさえできなかった。 血で濡れた土の匂いと、遠くで鳴…

猫(フリー写真)

愛猫との別れ

私がまだ高校生の冬、家で飼っている猫が赤ちゃんを産みました。しかも電気毛布を敷いた私の布団で。 五匹も産んだのですが、次々と飼い主が決まり、とうとう一匹だけになりました。 …