好きという気持ち
中学1年生の時、仲の良かったO君という男の子が居た。
漫画やCDを貸しっこしたり、放課後一緒に勉強したり、土日も二人で図書館などで会ったりしていた。
中学2年生になる前に、私が転校する事になった時、O君は泣くほど悲しんでくれた。
私も悲しかったけど、O君の親友から
「Oはお前の事が好きなんだよ。気付いてやれよ」
と言われ、パニックになってしまった。
子供だった私には『好き』や『嫌い』という気持ちが全然解らなかった。
他の女の子たちが恋愛の話で騒ぐのを理解できなかったから、そういう話をしないO君と一緒に遊んでいただけだった。
突然、O君が凄く怖くなって、残りの一ヶ月はO君と殆ど話す事もなく、私は転校した。
O君は最後に、彼が大事にしていたCDをくれた。
私はそれすらも怖くて、一度も聴かずにどこかにしまった。
何年か経ち、ようやく人を好きになるという事が理解できた時、自分がO君にした酷い仕打ちに泣いた。
私もO君が好きだったのだと思う。ごめんなさい。