母のボタンは毎朝ひとつ増えた
手芸店を営む母が脳梗塞で倒れた春、保育士の私は実家の押し入れで一本の帯布を見つけた。そこには母のボタンが一万一千個以上、毎朝ひとつずつ縫われていた。針が刺さった…
手芸店を営む母が脳梗塞で倒れた春、保育士の私は実家の押し入れで一本の帯布を見つけた。そこには母のボタンが一万一千個以上、毎朝ひとつずつ縫われていた。針が刺さった…
靴箱の上の火防せのお守りは、私が消防士になった年からそこにあった。倒れた父の病室で声をかけてきた元同僚の一言と、物置の菓子缶に納められないまま溜まっていた十四体…