でくのぼうが描いた金魚の絵
昭和三十年代の四国、紙を漉く町。何をやっても指の跡が残る少年が、旅の紙芝居屋に差し出した一枚の金魚の絵。燃やさずに渡した震える手が、四十年後、思いがけない場所で…
昭和三十年代の四国、紙を漉く町。何をやっても指の跡が残る少年が、旅の紙芝居屋に差し出した一枚の金魚の絵。燃やさずに渡した震える手が、四十年後、思いがけない場所で…
母がもらったのは招待券ではなく優待券だった。球場の外のベンチで弁当を食べた日、電車で涙を流した母に私は「楽しかったよ」と言った。懸命に育ててくれた母が最期に残し…