君のための手話
君のための手話を、こっそり覚えた日々。公園の噴水前で待ち合わせをしていた俺は、手話で想いを伝える若い二人を見かける。入門書を開いた夜、鏡の前の不格好な練習、そし…
君のための手話を、こっそり覚えた日々。公園の噴水前で待ち合わせをしていた俺は、手話で想いを伝える若い二人を見かける。入門書を開いた夜、鏡の前の不格好な練習、そし…
二十四時間営業のスーパーの深夜、斜めの棚から落ちた柿は、誰にも選ばれずに廃棄ノートに書かれる。十一月のある夜、仕事帰りの女の子が、その傷んだ柿を五つ、定価で買っ…
春一番の日、店の駐車場に散った段ボールを一人で追いかけていた私のもとへ、文句を言った若いカップルが髪も服も乱れたまま両腕いっぱいの箱を抱えて戻ってきた。レジ係が…