母のカレー、折り紙の「たつや」― 甲子園に託した一打
常葉大菊川(静岡)に敗れた日、日南学園(宮崎)の左翼手・奥野竜也君(3年)は、闘病中の母に思いを託して甲子園に立った。 彼の胸の奥で燃えていたのは、家族が抱き続…
家族のことを書いた話は、どれも胸に刺さります。当たり前すぎて気づかなかった愛情、不器用すぎて伝わらなかった気持ち、もう会えない人のことを思い出す瞬間。父、母、子供、祖父母——家族にまつわる感動する話をお届けします。
常葉大菊川(静岡)に敗れた日、日南学園(宮崎)の左翼手・奥野竜也君(3年)は、闘病中の母に思いを託して甲子園に立った。 彼の胸の奥で燃えていたのは、家族が抱き続…
ヘタレプログラマーの父は、今日も仕事で疲れ果てて帰ってきた。 深夜の玄関。明かりがまだついていることに気づいて、彼は眉をひそめた。 「まだ起きていたのか。もう遅…
カァチャン、元気にしていますか。 あなたがいなくなって、もう九年が経ちました。 九年という歳月が流れたのに、私はまだあなたを思い出しては涙してしまいます。 大人…
二十歳の誕生日に、父から腕時計をプレゼントされた。 箱を開けたときの、少し得意そうな父の顔を今でもはっきり覚えている。 私は夏生まれだ。 翌日から、友人たちと海…
料理のできない二十六歳の父と、五歳の息子。嫁が旅立って一ヶ月、冷凍庫を開けると、丸い字の札が貼られたタッパーがぎっしり並んでいた。最後に残った引き出しの蓋に書か…
日曜の昼下がり、久しぶりにミスドへ寄ったときのことだ。 ※ 注文を済ませ席につくと、背中越しのすぐ後ろに、若い父親と三歳くらいの男の子が座った。くりくりの目が印…
ある日、おふくろから一本の電話があった。 「お父さんが……死んでたって」 死んだ、じゃなくて――“死んでた”? 電話の向こうの母の声は、静かで現実味がなかった。…
母が家を出ていったのは、小学一年の秋のことだった。 男を作って去っていった母の背中を、幼い俺はただ呆然と見送るしかなかった。 その日から、父の作る不器用な料理で…
母が24歳、父が26歳の時、僕は6歳で両親の離婚を経験した。 母は若くして妊娠し、生まれた僕は望まれた存在ではなかった。 母には別の男が、父には別の女がいて、二…
娘の振袖を選ぶ呉服屋で、ふいによみがえった母のはしゃいだ姿。ほとんど家にいなかった私に、母が一度だけ会社へかけてきた電話の意味を、親の心を知る時がきて、ようやく…
旦那の上司であるA課長の話です。亡くなったお子さんにまつわる、深い悲しみと奇跡の物語です。 ※ A課長は5歳になるお子さんを病気で失いました。幼稚園でいえば年中…
十数年前、妻が突然この世を去った。 赴任先の地方都市で、知り合いもいない土地。 最期の最期まで、彼女は三歳の娘のことを心配し、俺に「ごめんね」と謝り続けながら、…
妻に先立たれ、初めて一人で乳児を育て始めました。 最初は「育児なんて誰でもやってるんだから大丈夫だろう」と軽く考えていました。 でも、俺は間違っていました。 赤…
俺がケーキ屋で支払いをしている時だった。 自動ドアが開き、まだ幼稚園児くらいの女の子が一人で入ってきた。 場違いなほど小さなその姿に、店内の空気が少し張りつめた…
母は毎年、梅雨が明けると麦茶を製氷皿で凍らせていた。薄まらんように、と。脳の病で手が震えるようになっても、その習慣だけはやめなかった。私はある朝、その製氷皿を落…