ちょっと切ない話

母を想うお弁当 ― 花でいっぱいの遠足の日

遠足の日のことでした。 お昼ご飯の時間になり、担任の先生は子どもたちの様子を見ながら、芝生の上を歩いていました。 色とりどりのお弁当が並び、笑顔と笑い声があ…

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娘の声が届いた日

私はかつて、妻と一人娘の三人で暮らしていた。 だが、娘が1歳と2ヶ月になった頃、離婚することになった。 原因は、酒に溺れた私だった。 酒癖が悪く、時には暴力…

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「つまんないことに負けんなよ」

僕は小さい頃、両親に捨てられました。 それから、あちこちを転々として、生きてきました。 小さな頃の僕は、「施設の子」「いつも同じ服を着た乞食」と、後ろ指をさ…

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中学時代の忘れられない記憶

私がその先生に出会ったのは、中学一年生の春でした。 先生は、私たちのクラスの担任でした。 明るくて、元気で、いつも全力。 でも、怒るときは本気で怒る。 机を…

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あの時のペンダント

俺が中学2年生だったときの話だ。 当時、幼馴染のKという女の子がいた。 小さい頃からよく一緒に遊んでいて、気づけば俺はKに恋心を抱くようになっていた。 でも…

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余命3ヶ月の母の“最後のおむすび”

僕がかつて看取った患者さんに、スキルス胃がんを患っていた一人の女性がいました。 余命3ヶ月と診断され、彼女はある病院の緩和ケア病棟に入院してきました。 ※ …

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一番近くにいた優しさ

私は昔から、何事にも無関心で、無愛想な性格でした。 友達は、片手で数えるほどしかいませんでした。 恋愛に至っては、生まれてこのかた、たったの二回。 ※ でも…

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あなたの記憶に、私の名前だけが残った

私の夫は、結婚する前に脳の病気で倒れ、死の淵を彷徨いました。 その知らせを私が知ったのは、倒れてから5日も経ってからのことでした。 彼の家族が病院に駆けつけ…

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あと二日で叶った願い

私の彼氏は、もうこの世にいません。 希少がんという、稀にしか見つからない病気でした。 彼は、我慢強くて、なかなか弱音を吐けない人でした。 それでも、陽気で明…

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少年がくれた希望の灯

1月の寒い朝になると、必ず思い出す少年がいます。 あれは、私が狭心症のため休職し、九州の実家で静養していたときのことでした。 毎朝、愛犬のテツと散歩に出かけ…

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一度きりの恋

俺が惚れた子の話をします。 俺はもう、40歳手前の独身男です。 もう5年近く、彼女もいません。 ※ そんな俺が、去年の5月ごろに友人に誘われ、なんとなくゴル…

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「ありがとう」から始まった家族

兄家族が、俺たちの家に突然やってきた。  そして――長女を置いて、引っ越していった。 ※ 兄も兄嫁も、昔から甥っ子ばかりを溺愛していた。 甥は確かにすごい奴…

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彼がくれた最期の「ありがとう」

あれは、今から一年半前。大学3年になったばかりの春のことでした。 授業が終わり、帰り支度をしていると、携帯が鳴りました。 画面に表示されたのは、彼の親友から…

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雪と一緒にいるから

「ゆきをとってきて…おねがい、ゆきがみたい…」 あなたはそう言って、季節外れの雪をほしがりましたね。 ※ あれから、何年もの月日が流れました。 あなたは、い…

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