島で一通だけ配れない手紙
昭和四十九年、瀬戸内の離島に渡った二十歳の郵便配達員は、船着場に毎日立つ老女から宛名のない一通を託されました。五十年後、閉局の日に封を開けて分かった、あの人が待…
昭和四十九年、瀬戸内の離島に渡った二十歳の郵便配達員は、船着場に毎日立つ老女から宛名のない一通を託されました。五十年後、閉局の日に封を開けて分かった、あの人が待…
昭和三十一年、離島の灯台守だった俺は、時化の海から耳の聞こえない娘・汐里を救い上げた。帳面と手話で言葉を交わすうち、島じゅうが手話を覚えていく。声にできない想い…
島の郵便局に赴任した私の元へ、毎週金曜日に届かない葉書を書き続ける老人が通っていた。七年前に亡くなった妻への百四十三枚の手紙。届かないと知りながら書き続けた、静…
離島で消防士として働く私が救急出動で駆けつけた先は、二十年前に人生を変えてくれた恩師の家だった。再会が明かす、先生の二十年越しの想いとは。…
ピアノ調律師の私は、父が亡くなった知らせを島へ向かうフェリーで受けた。実家に残された古い携帯の発信履歴と、毎年三月に届いていた島のピアノの調律依頼。請求書の隅に…
本土から三百キロ離れた島で灯台の保守をしている俺は、赴任の日に祖母から白いカセットを一本渡された。再生する機械を持たないまま四年が過ぎ、祖母は嵐の夜に逝った。葬…