杜氏の櫂と白いままの帳面
昭和二十二年の秋、台風で汽車が止まり、山あいの酒蔵に二十数人が流れ着いた。米は尽きた。義父は翌年の仕込みのために三年かけて隠した一俵を釜に空け、酒造りの櫂で粥を…
昭和二十二年の秋、台風で汽車が止まり、山あいの酒蔵に二十数人が流れ着いた。米は尽きた。義父は翌年の仕込みのために三年かけて隠した一俵を釜に空け、酒造りの櫂で粥を…
北海道・増毛の造り酒屋で冬だけ働いていたあなたと別れて、七年が経ちました。坂の途中の電柱で必ず一度だけ立ち止まっていた理由と、あの別れの言葉を誰から引き取ったの…