結婚記念日おめでとう
三千部の乱丁が見つかり泊まり込みが決まった夜、工場長は私に一通の茶封筒を託しました。車中で開けると、落としたはずの押し花の栞と、鉛筆で書かれた三行の言葉。結婚記…
三千部の乱丁が見つかり泊まり込みが決まった夜、工場長は私に一通の茶封筒を託しました。車中で開けると、落としたはずの押し花の栞と、鉛筆で書かれた三行の言葉。結婚記…
活版からオフセットへ移る頃の印刷工場で、私がいちばん苦手にしていた部長は、薄荷の飴缶から一粒を取り出し、こつんと奥歯で鳴らす人でした。あの音を叱られる合図だと思…