削りかけの賽子と進水式の餅
昭和四十三年の瀬戸内、造船の町。船大工の俺は時化で兄夫婦を失い、遺された甥の修を四年育てた。その修が静かに眠り、削りかけの賽子だけが作業台に残る。半年後、納屋に…
昭和四十三年の瀬戸内、造船の町。船大工の俺は時化で兄夫婦を失い、遺された甥の修を四年育てた。その修が静かに眠り、削りかけの賽子だけが作業台に残る。半年後、納屋に…
山の観測所に勤めるあなたは、秋の沢の鉄砲水から私を庇って逝きました。所長さんの手に握られていた桜の櫛、遺された双子、観測野帳の余白に残された小さな言葉、今も続く…