姉が刻んだ二本目の傷
高知・四万十の川漁師の家に生まれた私が、二十七歳ではじめて知った自分の出生の話です。窪川の祖母の家の大黒柱に二本ずつ並んでいた鉛筆の傷。その薄い三本を刻んでいた…
高知・四万十の川漁師の家に生まれた私が、二十七歳ではじめて知った自分の出生の話です。窪川の祖母の家の大黒柱に二本ずつ並んでいた鉛筆の傷。その薄い三本を刻んでいた…
母が送ってくる青さのりの袋の口には、毎年ちがう本数の輪ゴムが巻いてありました。四万十の冬の川に一人で立ち続けた母と、大阪で働き続けてきた息子。あと何日会えるのか…