島のピアノと父の電話
ピアノ調律師の私は、父が亡くなった知らせを島へ向かうフェリーで受けた。実家に残された古い携帯の発信履歴と、毎年三月に届いていた島のピアノの調律依頼。請求書の隅に…
ピアノ調律師の私は、父が亡くなった知らせを島へ向かうフェリーで受けた。実家に残された古い携帯の発信履歴と、毎年三月に届いていた島のピアノの調律依頼。請求書の隅に…
港町の祖母の家には、三時十分を指したまま動かない止まった柱時計があった。二万八千円の修理を断った祖母が代わりに買ったのは、千円の真鍮の音叉が一本だけ。調律師にな…
調律師の私が父の遺品から見つけた古いレコーダー。そこに録られていたのは、幼い日の私のピアノと、父が一度も言葉にできなかった想いだった。…