三和土の小さなサンダル
母の家の三和土には、誰も履かない小さなサンダルが、いつも同じ角度で揃えて置いてあった。妹のお古だと、俺はずっと思っていた。彼女の親に別れさせられた秋、母は泣きな…
母の家の三和土には、誰も履かない小さなサンダルが、いつも同じ角度で揃えて置いてあった。妹のお古だと、俺はずっと思っていた。彼女の親に別れさせられた秋、母は泣きな…
りんごの花が咲くころ、私はいつも父を思います。顔も写真も知らない父。仏壇の花立ては二つあるのに、花はいつも片方だけでした。中学二年の春、祖父に連れられて訪ねた畑…