小学校の時、裏門の所に小さな黒猫の赤ちゃんが捨てられていた。
両目とも膿でくっついていて、見えていない様子。
どうしても無視できなくて家へ持って帰ったら、やはり飼っては駄目だと言われた。
近所の家の庭の近くに置いて来なさいと言われ(そこの家は野良猫に餌をあげていたらしいので)、泣く泣くその家の庭の近くにそっと置いて来た。
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数日経ってその近くを通り掛かった時、みゃーみゃーという子猫の声を聞いた。
もしやと思ったら、やはりあの時の黒猫だった。
がりがりに痩せていて、体中に蚤が付いていて、もうどうしても放っておけなくて連れて帰った。
親にはいっぱい頭を下げて、自分が全て責任を持つからと頼み込み、どうにか飼うことを許してもらった。
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ミルクをあげて、体を洗ってあげて、湯たんぽを入れてあげて、と子供ながらに色々してあげたんだけれど、一週間も経たないうちに死んでしまった。
死んでしまった日の前日の夜、いつもは枕元の箱の中で寝ている子猫が、何故か初めて私の布団の中に潜り込んで来た。
でも私は潰してしまうのがイヤだったし、まだ蚤がいたら嫌だなと思い箱に戻した。
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その次の日の朝、子猫は冷たくなってしまっていた。
もしかしたら寒かったのかな。
一緒に寝てあげれば良かった。
最初にもっとちゃんと親に頼んで、飼ってあげられたら良かった。
子供だったから何の知識も無くて、もしかしたら私のせいで死んじゃったのかも。
病院にも連れて行ってあげられなかった。
まだ本当ににちっちゃい子猫だったのに。
本当にごめんね。