俺の彼女は可愛くて、スタイルが良くて、性格も良くて、正に完璧だった。
高校に入る前に一目惚れした。
彼女も俺に一目惚れしたらしく、向こうから告白してくれたので、喜んで付き合った。
俺は彼女に夢中になった。
彼女とは別の高校だったが、彼女が可愛くて可愛くて堪らなかった。
ほぼ毎日遊んだ。
しかも俺に、
「初めて自分から好きになった」
と言ってくれた。
俺達は喧嘩することも無く、ほぼ毎日遊んだ。
高校生ということも忘れるくらい。
そして地震の前の日に、二日後に遊ぶ約束をしてバイバイした。
※
次の日、学校に居る時に『東日本大震災』が来た。
俺は彼女に連絡した。
通じない。
俺の家の前まで津波が来ていて、彼女の家が海の目の前という事もあり、心配になった。
夜になって真っ暗闇の中、彼女の家の近くまで来たが、冠水していて先に進めなかった。
次の日からその場所は、警察官が通行止めをして通れなくなっていた。
徐々に心配が不安になって行った。
※
地震から一週間後。
彼女と再会出来たのは、遺体安置所だった。
俺は正直、彼女の遺体を見たくなかった。
周りには損傷が激しい遺体がある中、俺の彼女の遺体はすごくきれいだった。
どうやら母親と父親と車で避難途中に、津波に飲まれたらしい。
俺は号泣した。
俺は身内でもなく、付き添いの警官も居る。本当は抱き締めてあげたかったけど、頭を撫でることしか出来なかった。
彼女の遺体と父親、母親の遺体は親戚に引き取られ、無事に火葬されました。
※
震災から二年経った今も、俺は親戚の家の彼女の遺影に毎日会いに行っています。
震災の前の日に撮ったプリクラを見ると、この日に戻って欲しい気持ちと、彼女に会いたい気持ちで一杯になります。
それからというもの、毎週土曜日は彼女が会いに来てくれてるような気がして…。
涙が出ます。
今だに彼女無しですが、不思議と寂しさは無い。
ただ彼女ともう一回会いたいです。
好きと言って抱き締めたいです。