サイトアイコン 泣ける話や感動の実話、号泣するストーリーまとめ – ラクリマ

人に優しくあるためには

手を繋ぐカップル(フリー写真)

私は事故に遭い、足が不自由になってしまいました。

車椅子なしでは外出も出来ませんし、トイレも昔のようにスムーズに行うことが出来ません。

そんな私から友人たちも離れて行きました。

でもたった一人、事故に遭う前からずっと私の傍には彼が居てくれるんです。

何度も八つ当たりしました。

物を投げつけたり、酷いことを言ったり、自殺を図ろうとしたり…。

今思うと恥ずかしいですが、この世で自分が一番不幸だと思っていました。

でも彼は私の傍から離れて行きませんでした。

リハビリ、トイレ、嫌な顔一つせずに介助してくれました。

引き篭もりがちになっていた私を、何度も外に連れ出してくれました。

そんな彼とこの間、食事をしに行った時のことです。

順番待ちをしていると、偶然彼の友人達と会い、誘いもあったので相席することになりました。

そして食事中、彼の友人達が笑いながら話し掛けて来たのです。

「まだ付き合ってたんだ」

「○○は正直面倒だろ。まだ若いんだし、新しい彼女を作った方がいいんじゃない?」

「セッ○スも出来ないんじゃなー」

「○○ちゃんもさ、考えたら普通別れるよね」

その言葉に対して彼は、

「うん、そうだな」

と答えたのです。

心が痛みました。

言葉では表現出来ない感覚でした。

やはりお荷物だったのか、同情だったのか…。

涙が溢れて来ました。

しかし彼はそのすぐ後に言葉を続けたのです。

「でも、俺は迷惑だとか思ったことは一度もないし、違う彼女が欲しいと思ったこともない。

お前らの彼女の基準はセッ○ス出来るか出来ないか、なのか?

だったら寂しいな。

足が不自由だろうが彼女は彼女だ。

俺はこの先もずっと一緒に居るよ」

そう言って食事代をテーブルに置き、

「行こう」

と私を連れ出してくれました。

店から出た後、

「そういう事だからさ…もう泣くなよ」

と笑いかけてくれる彼を見て、ああ、この人に巡り会えて良かったと感じると同時に、私は幸せだと心の底から感じました。

人に優しくあるためには、強くならなければならない。

弱い優しさなんて存在しないよ。

大切な人を傷つけられたら、どうか全力で戦ってください。

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