太陽の光がほんのりと残骸の上を照らしていた。災害により変わり果てた風景の中、一つの臨時の避難所が静かな緊張感を持っていた。
「若者の代表として、一つだけ言いたいことがあります…」
荒廃したこの場所で、青春の輝きを持った一人の青年が立ち上がった。
彼の手には、希望と絆の言葉を伝えるための拡声器が握られていた。
彼の真っ赤に泣き腫らした瞳からは、深い悲しみと希望が滴るような涙が流れていた。
その涙を拭いつつ、彼は声を震わせながらも、力強くメッセージを続けた。
「これから僕らが、この神戸を立て直して行かなければなりません。
背中を押してくれたのは、毎日、毎時、ここで命を懸けて支えてくれた自衛隊の人達です」
彼の言葉に、周囲の大人達も心を打たれ、思わず涙を流す。
彼らの中には、家族や友人を失った者も多い。
しかし、その痛みを乗り越えて、新しい希望を見つけようとする強い意志が、青年の言葉に共鳴していた。
そして、その場にいた多くの人々が、自衛隊・災害派遣部隊の勇敢な人々へ感謝の気持ちを表現するために、一斉に彼らの方へと駆け寄った。
「長い間、ありがとうございました!」
感謝の心を込めて、青年は大声で叫んだ。
そして、彼は一人の自衛官の胸に飛び込み、情熱的な涙を流した。
その自衛官も、彼を力強く抱き締め、二人は互いの温かさを感じながら涙を共有した。
風に舞う『自衛隊さん、ありがとう』の横断幕。
その下で、多くの人々と自衛隊の人々が抱き合い、感謝と希望の涙を流していた。
この日、神戸で繰り広げられた感動のシーンは、自衛隊の大きな任務の完結を告げ、同時に新しい未来への第一歩となった。