泣ける話や感動の実話、号泣するストーリーまとめ – ラクリマ

大きなバラの花束

バラの花束(フリー写真)

接客を何年か担当してくれていた優秀な女性スタッフが、その店を辞めることになった。

店長は、一生懸命仕事をしてくれた彼女に何かお礼がしたかった。

いよいよ彼女の最後の出勤の日が来た。

出勤して来た彼女に店長は、まずトイレ掃除を命じた。

もちろん素直な彼女は、一生懸命トイレを綺麗にした。

彼女がトイレを掃除している間、密かに店長は、店内に居るお客様の間を回り始めた。

「10年近く勤めてくれたスタッフの○○が、今日で辞めることになりました」

一本のバラをお客様に渡しながら、

「今、彼女がお客様の間を回りますから、どうかこの花を彼女に渡してもらえませんか?」

店内に居る30人近くのお客様が全て協力してくれた。

トイレ掃除を終えた彼女に、店長は次の指令を出した。

「全ての客席を回って、お客様に感謝の気持ちを込めてご挨拶してください」

彼女は客席を回った。

最後のお客様を回り終わった時、彼女の手には30本の大きなバラの花束が出来ていた。

そして、彼女の目には大粒の涙があった。

帰り際にお客様から、店長に

「何でこの店が人気があるのか解ったよ。

素晴らしいスタッフ達だ」

とお褒めの言葉があった。

このことをその女性スタッフは一生忘れないだろうし、お客様も忘れないだろう。

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