俺の友達に、凄くゲーム好きなやつがいたんだよ。
ドラクエなどのゲームを誰よりも先に解いたり、俺たちにヒントをくれたりさ。
でも中学2年生の時にそいつは事故に遭い、右手を失くしちゃったんだ。
やはり片手では上手くゲームが出来ないようで、と言うか出来なくて、
「俺、もうゲームとか卒業したから。あんなの子供の遊びじゃん」
なんて言う訳。
でもさ、そいつの家に行くと、本人は隠しているつもりなんだろうけど、ベッドの下にゲーム雑誌があるんだよね。普通はエロ本だろうに(笑)。
※
そんなこんなで年月が経ち、Wiiが出てドラクエも発売された訳よ。
これならあいつも出来るんじゃないかと思って、誕生日プレゼントに本体とセットでくれてやったんだ。
そしたら、
「こんなもん要らねーよー。出来る訳ねーだろ。嫌味かよ(笑)」
と言って開けもしなかったんだ。
※
でもその日、家に帰って暫くしたら、そいつの親から電話が来て、
「あの子が泣きながらゲームしてるんです。
ほんとに嬉しそうに…。
ありがとうね!」
と言う。
深夜何時だよって感じだったんだけどさ(笑)。
もう俺まで号泣だよ(笑)。