中学1年生くらいの時は反抗期で、ちょっとツッパっていたりした。
「親の作った弁当なんかダサくて食えるか。金よこせよ、コンビニで買うから!」
と母ちゃんに言ったことがあってさ…。
それからは金を貰って、昼休みに学校を抜け出しては買い食いするようになったんだ。
大人になってから親父から聞いたのだけど、母ちゃんはその時、俺には分からないようにベソをかきながら親父に愚痴ったらしい。
親父はブチ切れて俺をぶっ飛ばそうとしたらしいんだけど、母ちゃんは
「あの子だって年頃だし、かっこつけたいんだからしょうがないの!」
と逆に俺を庇ったらしい。
そして、毎日昼飯代として千円ずつくれていた。小遣いとは別に。
※
数年後、大学生になった俺はオタク化し、バイト代を趣味に注ぎ込むようになったら慢性的金欠になった。
親父からは、
「小遣いは一切やらん!」
と言われていた…。
とにかく金欠過ぎて、激安の学食ですら食えないから、
「弁当作ってくれないか」
と、母ちゃんに頼んだんだよね。
反抗期時代の自分の発言なんてコロッと忘れて。
そしたら母ちゃんが泣きながら怒り出して、言ったんだ。
「もう、ダサくて食えないなんて、二度と言わないなら、作ってあげるわよ…いくらでも…」
俺は自分の発言を思い出して、愕然とした。
そんな思い出がある俺としては、やっぱり弁当ネタは泣ける。