交通事故に遭ってから左半身に少し麻痺が残り、日常生活に困るほどではないけれど、歩くとおかしいのがばれる。
付き合い始めの頃、それを気にして一歩下がるように歩いていた私に気付き、手を繋いで一緒に並んで歩いてくれた。
家に帰ってから訳を聞かれたので、
「○○君に恥ずかしい思いをさせたくなかったから」
と言った。そしたら、
「どうしてそんな考え方をするんだ」
と怒られたので、
「大好きだった○○君と付き合えてるだけで幸せだから。私と付き合うことで、○○君に少しでも嫌な思いをさせたくないから」
と言った。
すると泣きながら私の両手を持って、目の中を覗き込むようにして諭してくれた。
「俺はお前と付き合ってあげてる訳じゃない。俺がお前を好きで一緒に居たい、付き合いたいと思ったから付き合ってるんだ。
お前の体のことなんか、ずっと前から知ってたけど、一緒に歩いて恥ずかしいなんて一回だって思ったことはないよ。お前がそんな風に考えてるのが俺は悲しい。
俺に気を遣わないで。自分のことを恥じないで。もっと自信を持って胸を張って欲しい。
ずっと並んで歩こうよ。お前は俺の自慢の彼女なんだから」
私のことをここまで思ってくれる人には、絶対会えないと思う。
凄く嬉しくて、涙が止まらなかった。
今はどこに行く時も、並んで歩いています。