バスで二人座席に座っていた学生風のカップル。
車椅子の人が乗ろうとした途端、彼女の方がすっと立ち上がって、彼氏に荷物を渡し、運転手が車椅子を乗せるお手伝いをしていた。
その後も当然のように車椅子を手で支え、車椅子が降りるまで付いていた。
それを見ていた知らないお婆さんに、
「偉いわね。ボランティアの人?」
と聞かれ、
「いえ、慣れてるだけです」
と真っ赤な顔をして答える彼女。
そして恥ずかしそうに彼氏の座席へ戻り、小声で嬉しそうに
「褒められた」
と言う彼女。
彼氏も嬉しそうに彼女の頭をぽんぽんと軽く叩いて撫でていた。
カップルが降りるバス停に着き、杖をついて足を引き摺っている彼氏と、彼氏を支える彼女を見て『なるほど』と納得したよ。
みんなが期待している話とは違うかもしれないけど、俺はほのぼのした。