俺が25歳くらいの時の話。
当時働いていた職場に二つ年下の女の子が居て、めっちゃいい子だった。
当時はお互い恋人が居たから付き合えなかったけど、お互いかなり意識はしていたと思う。
でも決定的な告白は出来ず、数年して俺が一年間の海外出張に出る時、
「帰国の日に、もしまだ俺の事好きでいてくれたら、空港のロビーに来て」
とだけ言って出張に行った。
出張が終わりに近付くに連れて、
『何であんなこと言ったんやろ…』
と自己嫌悪に陥ったりもした。
※
それでとうとう帰国の日を迎えた。
空港のロビーに着くと案の定、居ないでやんの。
『やっぱりな~。一年も経てば心変わりくらいするわな~』
なんて思っていたら、不意に後ろから声を掛けられて、振り向いたらその子が居たんだ。
一年前より美人になってやんの。
俺が目を丸くして何も言えずにいたら、
「来ないと思ってた?」
と聞かれて、普通に
「うん、ってか覚えてないと思ってた」
と答えた。するとその子は、
「あの時、言われた瞬間に行くって決めてたよ」
と言うので、泣きそうになった。
「幸せにしてくれるんでしょうね~?」
と笑いながら言って来て、そこで俺は堪え切れんようになった。
涙目で、
「あったりまえやんか!期待しとけや~」
と強がって見せたけど、あの時は涙で殆ど前が見えていなかった。
あれから2年、もうすぐ結婚します。