親父がサラ金で作った借金を抱えて逃げてしまった。
その結果、長い間別居していた母と再び一緒に住むことになった。表面上は友達や母に明るく振る舞っていたが、内心はかなり参っていた。
母はいつも「あんたは強い子やな」と言うが、心の中では「ずっと一緒に暮らしてきた親父やぞ!」と叫びたい気持ちを抑えていた。
そのストレスで、つい彼女に当たってしまった。
いつもなら、また喧嘩になるところだった。しかし、今回は違った。
彼女は言った。「私で良かったら支えちゃるし、助けてあげる。でも、あんたはお母さんの支えになってあげないかんやろ? がんばろうや。辛いことあったら私が支えになっちゃるし、聞いてあげるけん。がんばろ?」
これは、片想いから始まり、必死のアプローチでやっと付き合ってくれた彼女の言葉だった。
彼女の言葉に、馬鹿みたいに泣いてしまった。彼女の優しさと、共に進むという確かな意志が、心の奥深くに響いたのだ。
これからは、彼女と一緒に、母を支えながら困難に立ち向かっていく決意を固めた。