私には、大好きな男の子がいた。
その子は幼馴染で、小さな頃からずっと一緒だった。
私はいつも支えてくれた彼が大好きだった。
でも、彼は自ら命を絶った。
首を吊り自殺した。
理由は、虐め。
彼は頭も良く、運動神経も良くて女子とも仲が良かった。
そのせいで、他の男子の嫉妬が向けられたのだ。
男子達が彼を無視し始め、悪口を言い始めた。
そうすると、仲の良かった女子達は離れて行き、次第に彼は独りになって行った。
そうして追い詰められ、彼は最悪の決断をした。
私は追い詰められる彼を見て、何も出来なかった。
直接、無視した訳でもない。
ても、彼の悪口に反論が出来なかった。
自分も虐められたくなくて…。
彼は、私を助けてくれたのに。
昔、虐められていた私を庇ってくれたのに。
私は弱くて、怖くて、彼を助けられなかった。
彼の家に行った私は、彼のお母さんの前で泣き崩れた。
ごめんなさい、ごめんなさい。
そう言い続けていた。
そんな私に、彼のお母さんは言ってくれた。
「あの子、あなたのこと恨んでなかった。
突然、他の子の話をしなくなった時でも、あなたの話はずっと楽しそうに話してた。
あの子は言ってた。
あなたはずっと、大切な幼馴染だって。
親友なんだって」
その話を聞いた私は、泣いた。
ずっと、声を上げて泣き続けた。
ごめんね。
助けられなくてごめん。
でも、今度はちゃんと助ける。
彼みたいな人がいたら、今度こそ助けてみせる。
もう、弱い自分とはさよならするから。
私はこの出来事がきっかけで変わりました。
引っ込み思案で、気が弱い私をやめました。
よく言いますよね。
勇気を振り絞るのは一瞬だけど、後悔は一生残る、と。
本当に、その通りだと思いました。
勇気を出すことに躊躇ったら、一生後悔が残ってしまう。
だからこそ、勇気を出すんです。
少しだけでいい。
ほんの少しだけでいいから、勇気を出してみてください。
そうすれば、未来は変わります。
後悔を作りません。
私と同じ思いをする人が、一人でも減りますように。