私たちが夢見た奇跡は、結婚して5年目のある日、現実となった。待ちわびた命が、ついに私たちの世界にやって来た。
しかし、幸せの中で隠されていた試練が、子供が2歳になった頃に明らかになった。障害があるという現実に、心は暗い闇に沈み込んでいった。
絶望の淵に立ち、すべてを終わらせようとした瞬間、旦那からのメールが私を止めた。
『あなたとの結婚、そしてあなたから生まれた子供に心からの喜びを感じている。
あなたが苦しんでいるのはわかっているよ。子供に障害があると知ってから、特にね。
でも、私たちの子は、世界で最も幸せな子に違いない。
なぜなら、あなたが母親だからだ。そして私たちの子だから。
道は遠回りになるかもしれない。成長はゆっくりかもしれない。だが、それだけ多くの美しい瞬間を経験できる。
一緒に、手を取り合って、しっかりと歩いていこう。
今日だけでもこんなに多くの幸せがあった。
子供が「ママ、大好き!」と言ってくれたこと。
まだ暗いうちに家族3人で散歩に出かけたこと。
お夕食のブリ大根がとても美味しかったこと。
そして、家族3人で狭いお風呂にギュッと入ったこと。
ほら、今日一日でこれだけの幸せを共有したよね? 明日は、どんな小さな喜びが待っているかな。
ねえ、ママ。
そして、子供が眠った後は二人でDVDを見よう。君の好きな「古畑任三郎」を買ってきたんだ。今日もう一つ、幸せが増えたね。
苦しみは毎日続くものじゃない。幸せは、何度でも心の中に芽生える。
一緒にこの困難を乗り越えよう』
その言葉に心が照らされ、私は新たな希望を見出した。そして約束した通り、二人三脚で、楽しく、愛情豊かな日々を送っている。