カテゴリー: 夫婦

長い時間を一緒に過ごした二人の話には、言葉では説明できない深さがあります。すれ違い、誤解、後悔、そしてその先にある愛情。夫婦にまつわる泣ける話——結婚することの意味を改めて教えてくれる短編を集めました。

幸せのお守り

「もう死にたい…。もうやだよ…。つらいよ…」 妻は産婦人科の待合室で、人目もはばからず泣いていました。 前回の流産の時、私の妹が妻に言った無神経な言葉が忘れられ…

一緒に最後まで

福岡市の臨海地区にある総合病院。周囲はクリスマス商戦で賑わっていましたが、病院の玄関には大陸からの冷たい寒気が吹き込んでいました。 そんな夕暮れ時、心肺停止状態…

天からの手紙

妊娠と同時に、夫の癌が発覚しました。彼は子供の顔を一目見るまで頑張ると決心していましたが、残念ながら間に合いませんでした。夫が亡くなってからは、私一人で息子を育…

傷つけて気づいた愛

私は4年間、妻を裏切り続けた。ネットで出会った女性との不倫関係に溺れていたのだ。彼女との関係は、私がずる賢く立ち回り、妻には秘密のまま続いていた。妻はいつも遅い…

三度の祈り

それは今から数年前、俺の人生における三度の神頼みの始まりでした。 最初は七歳の時、両親が離婚し、厳しい祖父母の元へ預けられた時のことです。 彼らから「お前のせい…

未来への手紙

家内を亡くしました。 お腹に第二子を宿した彼女が乗ったタクシーは、病院へ向かう途中、居眠り運転のトラックと激突し、彼女は即死でした。 警察からの連絡を聞いた時、…

二人三脚の約束

私たちが夢見た奇跡は、結婚して5年目のある日、現実となった。待ちわびた命が、ついに私たちの世界にやって来た。 しかし、幸せの中で隠されていた試練が、子供が2歳に…

手話で結ぶ絆

私たちの娘は3歳で、ほとんど聞こえません。 その現実を知った日、私と妻はただただ涙に暮れました。繰り返し泣きました。 難聴という言葉が娘を別の世界の生き物に見せ…

英雄の最期と不朽の絆

我が家に伝わる語り草、それは遠く南の地で戦ったおじいちゃんの物語である。 具体的な国名までの記憶は色褪せているが、彼が足跡を残したのは深緑に覆われたジャングルの…

失われた家族

妻と娘が一ヶ月前に交通事故で命を落としました。 独りで運転していた車が大破したそうです。 その知らせを受けたとき、私は出張先の根室にいました。 帰るのは一苦労で…

とおしゃん

今日、息子が俺の事を「とおしゃん」と呼んだ。 成長が遅れ気味かもしれないと言われていた子で、言葉も覚えるのも遅かったから、あまりの嬉しさに涙が出た。 「嫁か息子…